名門・中大が、10時間17分1秒の11位に終わり、上位10校が進む来年1月2、3日の本選出場を逃した。10位日大に44秒及ばずに、連続出場回数が「87」で止まった。

 4月に就任した藤原正和監督(35)は「私の若さのせいで選手たちをうまく導けなかった。本当に申し訳ありません。うちは前半に稼いで後半に粘るタイプなので(前半で)厳しいかなと思った。10位との差よりも完全に力負けです」と振り返った。

 本戦で最多14度の優勝を誇る名門だが、最後の優勝は96年。最近は予選会に回ることも続いていた。今年6月の全日本大学駅伝関東予選で17位と完敗。藤原監督は、1年の舟津彰馬を主将に就任させる“荒療治”に出た。

 舟津は中学時代はバスケットボール部、高校時代は陸上部で主将を務めた経験はあったが、入学後わずか3カ月でいきなり名門チームの主将となった。人づてに「1年で大丈夫か? 4年は何をしているんだ?」という周囲の声が耳に入った。主将就任直後は「最初はあまり上級生ともしゃべらなかった」とぎくしゃくした関係になったという。ただ夏合宿を通じて少しずつ箱根駅伝を目標にチームが変わった。舟津は「同じ練習でも監督の指示待ちでしたが、ここ2~3週間は選手たちだけでペースを上げることもできるようになった。走る姿を見てもらえれば、本当に変わってきたと思います」。ただ本戦出場には届かなかった。

 舟津は、レース後の応援団への報告でこう言った。「先輩方に迷惑をかけながらやってきて、先輩方からサポートもしていただいた。外部から『今年、大丈夫なのか』と多くの声をいただいた。でも自分たちは『やれる!』と思ってやってきました。もし先輩方に文句をいう方がいれば、自分が受けて立ちます。自分にぶつけてください。先輩方の文句をいう人がいれば自分は許しません!」と感極まって絶叫。最後は「自分たちはこの日のことを忘れることはありません。忘れるつもりもありません。これからも変わらぬ応援をよろしくお願いいたします」と深々と頭を下げて、涙をこぼしていた。