8区(平塚~戸塚=21・4キロ)は青学大の下田裕太(3年=加藤学園)が、昨年と同じ1時間4分21秒のタイムで2年連続の区間賞を取った。

 下田は果敢に20世紀の記録に挑戦した。1997年に古田哲弘(山梨学院大)が記録した1時間4分5秒。全区間の中で今なお破られていない、元も古い記録だ。残り5キロで現れる遊行寺坂に、さらに上り下りが続く坂地獄。下田は懸命に腕を振った。

 残り1キロを残す。監督車の原晋監督から「残り2分40秒なら破れるぞ!」とゲキが飛ぶ。サングラスを外し、頭に乗せて気合いを入れ直した。顔をゆがめながら必死に腕を振った。2位の早大とのリードを広げ、トップでタスキを9区の池田生成(4年=佐久長聖)に渡した。

 記録には16秒届かなかったが、昨年とまったく同じタイムの快走。下田は「最初、監督からゆっくり行けと指示されたのですが、頭に区間新というのがあって少し速いペースで入ってしまった。(遊行寺の)坂をよじのぼってから足にきたのと風があってペースダウンしてしまった。ラスト動かないのは力不足」と話した。

 7区で田村がまさかのブレーキとなったが、それを補って余りある内容。「田村は3年間一緒にやってきて暑い展開が苦手なのは分かっていたので、こういうこともあるのかなと思っていた。よくタスキをつないでくれました」。そして最終学年となる来年に向けて「強い4年生がいなくなるので、来年は自分が往路を走りたい」と気持ちを新たにしていた。