日本陸連が女子マラソンの強化指定選手らによる「真夏の東京合宿」を計画していることが30日、分かった。昨年11月に新体制となってから初の合宿となる見込みで、8月下旬に都内で約1週間実施される予定。前日29日の大阪国際を優勝した重友が出場を有力にした世界選手権(ロンドン)直後のタイミングで、東京五輪を想定した猛暑対策へ取り組む。

 世界選手権の代表から漏れたものの、東京五輪での活躍が期待される強化指定選手ら10人前後の招集を見込む。暑い中を走った時の、体内の水分量や筋肉疲労などを測定する予定だ。長距離走の実施は未定だが、合宿中に測定したデータを分析し、個々に合った調整や練習法のヒントを探る。本番は30度以上の気温が想定されるだけに、猛暑対策への理解が重要。知識や情報を共有することで、関係者は「練習の根拠付けもできる」と話す。また、91年夏の世界選手権東京大会でマラソン銀メダルを獲得した、強化の現場責任者・山下佐知子氏の当時の経験も選手に伝えていくとみられる。

 女子マラソンの日本勢は五輪で3大会連続入賞を逃している。夏は避暑地でのトレーニングが一般的だが、お家芸復活へ、世界選手権と並行して東京五輪を見据えた強化策を進める。