陸上の日本長距離界のエース、男子5000メートルの日本記録保持者・大迫傑(25=ナイキ・オレゴンプロジェクト)が22日、自身の公式ホームページなどで4月17日のボストン・マラソンに出場する意向を表明した。初マラソンとなる。これまではトラック種目に重点を置き、8月の世界選手権(ロンドン)はトラック種目での出場を目指しているが、目標とする20年東京五輪のマラソンでの金メダル獲得に向けて、大きな1歩を踏みだす。「所属チームのコーチと相談した結果、今回の参加を決めました。精いっぱい頑張ります」とコメントした。

 早大時代には箱根駅伝などで活躍した大迫は、日清食品グループを15年3月に退社し、米オレゴン州を拠点に実質的なプロとして活動している。15年7月には5000メートルの日本新記録(13分8秒40)を樹立するなど、マラソンの米国記録をマークしたサラザール氏が指導する世界最高峰のエリート集団で力を磨いている。

 東京五輪のマラソンのエース候補として期待が懸かる大迫。日本屈指のスピードランナーの新たな挑戦は、低迷が続いている男子マラソン界の起爆剤となる可能性もある。

 ◆大迫傑(おおさこ・すぐる)1991年(平3)5月23日、東京都町田市生まれ。東京・金井中-長野・佐久長聖高-早大-日清食品グループを経てナイキ・オレゴンプロジェクト所属。箱根駅伝は1、2年で走った1区で、2年連続区間賞を獲得。11年ユニバーシアード大会1万メートル金、14年アジア大会の1万メートル銀。16年日本選手権は5000メートルと1万メートルを制し、2種目でリオデジャネイロ五輪に出場。170センチ、52キロ。