競歩の「京大くん」が世界を目指す。陸上の世界選手権(8月・ロンドン)代表選考を兼ねた全日本競歩能美大会(20キロ)は19日に号砲が鳴る。

 先月の日本選手権20キロ競歩で3位だった山西利和(21=京大)は18日、石川・小松市内で行われた会見で「チャレンジャーとして挑んでいきたい。ベストを尽くすことが優先順位としては一番高いです」と語った。

 日本選手権20キロ競歩で記録した1時間19分3秒は日本陸連の派遣設定記録1時間20分12秒を上回っており、今大会で日本人1位なら、世界選手権の代表に内定する。

 ただ、高い壁が立ちはだかる。今大会は日本選手権は左膝痛で欠場していたリオ五輪男子20キロ競歩7位の松永大介(22=東洋大)が復帰する。「目標タイムは定めてないです。オリンピックの入賞者を前に強気には言えないですが、チャンスがあれば優勝を狙っていきたいです」。謙虚な性格がにじむ一方で、対抗心をのぞかせた。

 京都・堀川高から京大工学部に現役合格。工学部・物理工学科の機械コースで文武両道を貫く。過去には杉本明洋が京大大学院から05年世界選手権ヘルシンキ大会に男子20キロ競歩で出場した。ただ学部生で京大から陸上の世界選手権に出場した人はいない。「出場したい思いは強い。狙っていきたい」と黒縁眼鏡を光らせた。

 男子20キロ競歩の代表枠は最大3。選考会は今大会と先月19日の日本選手権。どちらかのレースで日本人1位になり、日本陸連が定めた1時間20分12秒の派遣設定記録を突破すれば自動的に代表入り。それ以外は選考会の日本人3位以内から選ばれる。日本選手権では高橋英輝(24=富士通)が内定している。