<岐阜国体:陸上>◇7日目◇5日◇岐阜長良川競技場

 少年女子A100メートルに11秒81で2位となった野林祐実(九州学院高2年)。優勝した土井杏南(17=埼玉栄高)に序盤で離されたが、後半は土井と遜色ない走りを見せた。野林は8月のインターハイ優勝者だが、土井がロンドン五輪に遠征していて不在だった。「土井さんはロンドン後で本調子でない状態でしたが、今の自分を精一杯ぶつけられました。インターハイではスタートにぶれがあったんです。そこを練習した成果が今日出せたので、持ち味の後半につながったと思います」

 2人とも早熟型のスプリンター。2年前の8月に土井が11秒61の中学新をマークすると、10月には野林が11秒73の中学歴代2位タイを出した。中学で高いレベルの記録を出した選手は自身の成長に不安を感じることも多いが、土井が今季11秒43と高校新をマークし五輪代表にまで成長した。野林も今大会の予選で11秒70と自己記録を更新。決勝で土井に0・09秒差と迫ったのは、記録以上に評価ができる。「土井さんがオリンピックで走っているのをテレビで見て、自分も一緒にリレーを走りたいと思いました」

 4年後のリオ五輪に向けて、土井につづく若い力が芽吹き始めている。