柔道の2012年ロンドン五輪男子60キロ級銀メダリスト、平岡拓晃(31)=了徳寺学園職=が23日、千葉県浦安市の了徳寺大で記者会見し「全ての皆さんに感謝して引退しようと思う」と現役を退くことを表明した。昨秋の国内大会で敗れ、リオデジャネイロ五輪出場の可能性は消えていた。今後は筑波大大学院で勉強を続けて指導者の道を進む。

 広島県出身で近大福山高(現近大広島高福山)、筑波大で力を付けた。五輪3連覇の野村忠宏氏を抑えて初出場した08年北京五輪は初戦敗退に終わったが、ロンドン五輪で2位。全日本選抜体重別選手権は12年まで5連覇した。

 一番の思い出には北京五輪を挙げ「人生の分岐点になった。心を成長させてもらった」と振り返った。減量に苦労した経験から大学院ではスポーツ医学を専攻。「しっかりとしたデータに基づいて、勉強していく」と決意を語った。