大学スポーツ界での不祥事が続いている。日体大陸上部や関東学院大ラグビー部の大麻事件だけではなく、京都教育大で体育会の運動部員が集団準強姦(ごうかん)容疑、天理大ホッケー部員が窃盗事件でそれぞれ逮捕されるなど、関西でも相次いでいる。

 近大ボクシング部員2人が強盗容疑で逮捕された。2人は通行人に因縁をつけ、顔や腹を殴って現金を奪う犯行を繰り返していたようだ。

 同部の寮の門限は午前0時だったが、その後も玄関は開いており、自由に出入りできたという。大学スポーツ界に対する世間の目が厳しくなっている中で、事件を未然に防ぐ方法はなかったのか。指導者の管理体制はどうだったのか、学生側も自覚を持って行動してきたのか。大学も指導者もいま一度、学生に対し、モラルを徹底させる必要がある。

 ボクシング元世界王者の井岡弘樹氏は路上でけんかに巻き込まれ、殴られっぱなしになりながら一発も殴り返さなかった。「ボクサーだから、リングの外では絶対に手は出さない」と話したという。これがスポーツマンシップである。鍛えた拳で暴力を振るうのは厳禁だ。拳を武器に、罪を犯すのはもってのほかだ。(共同)