北京五輪陸上男子400メートルリレー銅メダリストの末続慎吾(28)が、無期限の休養を宣言した。15日、都内のホテルで所属するミズノの五輪報告会に出席。すでに今季の全レースを終えてオフを迎えているが、練習再開日は、あえて未定にした。リレーでメダルを獲得したが、個人種目はまったく振るわず、昨季から続く不調から抜け出せないまま。まずはひたすら体を休め、来季からの復活を目指す。

 不振を脱出するため、末続が思いきった策に出た。今季のラストレースは、9月28日の全日本実業団選手権100メートル。予選を通過したが、準決勝を体調不良で棄権した。10月の大分国体も欠場した。

 末続

 慢性的な疲労かもしれない。とにかく休んでいれば、良くなるんじゃないかと思う。休養といっても(期限を)何週間と決めると、焦ってしまう。決めずに「これだ」と思った時にやります。

 通常なら、11月ごろから冬季練習を始め、来季へ向けた体力づくりなどに着手する。しかし、今回は日程にとらわれない。「今までは型にはまっていた。それにこだわりすぎずにいたい」と説明した。

 不本意なシーズンだった。リレーのメダルに貢献したが、個人種目はいいところなし。6月の日本選手権200メートルでは、8年ぶりに日本人に負けた。今季ベストは、100メートルが10秒43、200メートルが20秒67にとどまり、99年以来のワースト。発想を変えたくなるほど、スランプに陥った。

 「そんなに焦ることもない。いろんな人の話も聞いたりして、考える時間も必要」。これまでと違ったやり方で、再起を期す。【佐々木一郎】