<ビーチバレー:JBVツアー第7戦・川崎市長杯>◇3日目◇9日◇川崎・マリエン◇男女準決勝、敗者復活2回戦

 浅尾美和(24=エスワン)が元相棒の西堀健実(29)に5度目の対戦で初めて勝った。草野歩(25)との「浅草ペア」で、準決勝で西堀、浦田聖子(29)組と対戦。2-1で「元カノ」を下した。昨年まで4年間ペアを組みながら「互いにロンドン五輪を目指すため」とたもとを分かった西堀に、自分たちのバレーを見せつけてツアー初優勝に王手をかけた。10日の決勝では田中姿子(35)溝江明香(20)組と対戦する。

 元相棒からの念願の初勝利にも、浅尾は「すべてのチームがライバル。目の前の相手に対して、自分たちのプレーをして勝っただけ」と冷静だった。初対決の5月の東京オープンでは、西堀組に対して「絶対に負けない」と強烈なライバル意識を見せていた。雑念を捨て去り、勝負に集中することで白星をつかんだ。

 この日は気温16度、雨が降り続き、体感温度は10度以下という悪条件。いつものキュートな水着も、おへそも封印して、下に上下とも黒の長袖とレギンス姿。足場の悪い中、立ち上がりに浅尾が無理な強打を避け、冷静に相手コートの穴を狙ってペースをつかんだ。

 第2セットになって、相手チームのサービスの狙いが、浅尾から草野に変わった。そのセットを落としたものの、慌てなかった。浅尾は「狙いを変えてくるのは想定内。第3セットは、しっかり自分たちのリズムでできた。私のブロックと、あゆ(草野)のサービスで乗れた。明日もこの感じで」と笑顔を見せた。

 昨年11月、12年ロンドン五輪出場を見据えて発展的にペア解消。浅尾は過去JBVツアー1勝の草野と、西堀は同6勝の浦田聖と新たなペアを組んだ。だが浅尾組は初対戦から西堀組に4戦全敗。初優勝に王手をかけた8月のビーチバレージャパン決勝でも、西堀組にフルセットの末に敗れた。浅尾は「本当に悔しい」と泣きそうな表情で、西堀の姿を見つめた。その敗戦をきっかけに不振に陥り、草野とのペアも解消危機に陥るまでに至っていた。

 過去の因縁にはひとまず終止符を打った。決勝の相手は、現在ランキング1位の田中、溝江組。草野は「あとは優勝だけ」と、初優勝で禁酒解禁を夢見る。浅尾は「今日は悪天候にもかかわらず、お客さんの応援が盛り上げてくれた。初優勝目指して頑張るので、明日も懲りずによろしく」とおねだりをしていた。【小谷野俊哉】