大相撲の横綱朝青龍(29=高砂)が初場所中に泥酔し知人男性に暴行したとされる問題で、男性が警視庁麻布署に被害相談に訪れていたことが28日、同署への取材で分かった。この男性は朝青龍のマネジャーではなく一般人という。

 麻布署は今後、男性から傷害や暴行容疑などで正式な被害届が提出された場合、朝青龍からも事情を聴く方針。

 また日本相撲協会は同日に開いた定例理事会で、あらためて事実関係の説明を求める方針を決めた。外部役員で元警視総監の吉野準監事によれば、近日中に臨時理事会を招集して処分を検討する可能性があるという。朝青龍はこの問題で25日に相撲協会から口頭で厳重注意を受けている。

 麻布署によると、男性は16日午前4時すぎ、東京都港区西麻布を車で通り掛かった際、交通事故処理をしていた麻布署員に「車内で朝青龍に殴られた」と訴え出た。

 男性は「(朝青龍が)謝罪してくれるなら被害届は出さない」と述べ、車内にいた朝青龍は酔っていたこともあり、同署は詳しい事情は聴かずに帰した。

 男性は初場所が終わった翌日の25日「まだ謝罪がない」として診断書を持って同署に相談に訪れたが、被害届は出していないという。