名古屋場所の新番付では、4日の日本相撲協会臨時理事会で解雇された大関琴光喜や大嶽親方(元関脇貴闘力)の名前が残った。

 大相撲の番付は本場所終了から3日後、審判部による翌場所の番付編成会議で決まる。これを書記役の行司が横綱から序ノ口のしこ名、親方衆の名前を筆で丁寧に書き込んでいく。完成までには3週間近くかかり、その後の印刷作業を経て刷り上がるのは番付発表の数日前だという。琴光喜らの処分が「解雇以上」との方向性が出たのは当初予定していた番付発表日の6月28日。本来ならば削除して作り直すが、協会関係者によれば、1週間足らずでは作業が間に合わなかったという。

 2007年秋場所後に力士暴行死事件で解雇された師匠の後を継ぐため、現役を急きょ引退した幕内時津海(現時津風親方)は次の場所まで時間に余裕があり、該当部分は空白だった。大麻問題で解雇された幕内若ノ鵬や十両若麒麟も同じ理由で空白措置が取られた。

 記憶に新しい元横綱朝青龍の電撃引退も、1月下旬の編成会議からわずか約1週間後。予定されていた東の正横綱に白鵬を回し、空いた西の最高位には大関琴欧洲を繰り上げて余白を埋めた例もある。