<大相撲名古屋場所>◇10日目◇19日◇愛知県体育館

 大相撲で史上1位の通算1047勝を挙げた大関魁皇(38、本名古賀博之、福岡県出身、友綱部屋)が現役を引退することが19日、決まった。

 不祥事が続く角界の屋台骨を支えた関取最年長の人気大関が土俵を去ることで、横綱、大関から日本人がいなくなった。大関以上が外国勢だけになったのは、横綱が不在で、ともに米国出身の曙と小錦が大関だった1993年初場所以来。

 腰痛など満身創痍(そうい)で名古屋場所に臨んだ魁皇は5日目に2勝目を挙げ、千代の富士を超える通算1046勝の新記録を樹立し、7日目にも白星を加えた。だが10日目(19日)に大関琴欧洲に一方的に敗れて3勝7敗となり、打ち出し後に師匠の友綱親方と話し合って引退を決めた。今後は浅香山親方として友綱部屋で後進の指導に当たる。

 魁皇は曙、貴乃花、若乃花とともに1988年春場所、15歳で初土俵。右上手を取っての豪快な相撲で2000年名古屋場所後に大関へ昇進した。04年秋場所で5度目の優勝を飾り、翌九州場所は12勝したが、横綱昇進は果たせなかった。

 05年以降は故障が増えて衰えが目立ち、引退の危機を何度か乗り越えてきたが、力尽きた。大関在位65場所は千代大海と並んで史上1位で、38歳での引退は大ノ里の39歳9カ月に次いで大関として昭和以降2番目の年長記録。幕内879勝や幕内在位107場所も史上1位。優勝5回は大関以下で終わった力士では最多だった。