野球賭博問題で日本相撲協会から解雇以上の処分が決まっている大嶽親方(42=元関脇貴闘力)が離婚する意向であることが6月30日、分かった。この日テレビ番組で離婚の意思を明らかにした。美絵子夫人は元横綱大鵬の納谷幸喜氏の三女で、関係者によるとすでに離婚の方向で話し合いが行われている。処分は7月4日の同協会理事会で正式に決まるが、相撲界との縁も切れることになる。

 番組の中で大嶽親方は「大鵬親方(納谷氏)の養子でいることが恥ずかしいので、嫁と相談して離婚することにしました」などと話した。関係者によると、大嶽親方と美絵子夫人はすでに離婚の方向で話し合いが進んでいるという。また「子供が15歳になったら、相撲取りになって、強くなって、大鵬親方の記録を抜きたいとか思っているのに、オレみたいなのがいてもしょうがない」などと、理由について発言した。

 大嶽親方の息子4人のうち3人(小3~中1)が相撲界入りを目指し、わんぱく相撲などでも活躍、将来を嘱望されている。納谷氏にとっては孫にあたり、自らが興した大鵬部屋を継承する大嶽部屋に入門して、大相撲の土俵に上がる姿を見るのが夢でもある。

 特別調査委員会で「解雇以上」の処分勧告が出ている大嶽親方の処分は、4日の理事会で正式決定する。それを受けて、部屋の存続についても諮られることになる。過去、部屋存続問題では、弟子の暴行死事件で傷害致死容疑で逮捕された前時津風親方が解雇処分となり、今回の野球賭博に絡んで降格以上の処分が決まっている時津風親方(元幕内時津海)が現役引退して部屋を継承した。暴力団の場所観戦問題で木瀬親方(元幕内肥後ノ海)が降格処分になった木瀬部屋の弟子らが北の湖部屋預かりになり、継承者もなく事実上部屋が消滅した。

 自分の不始末とは無関係の弟子や、家族を巻き込んだ大嶽親方の責任は重い。協会の処分、離婚で公私とも角界と縁がなくなることになる。