第59代横綱隆の里の鳴戸親方(本名・高谷俊英=たかや・としひで)が7日午前9時51分、急性呼吸不全のため、福岡市内の病院で死去した。59歳だった。
鳴戸親方が好きな映画は意外にもアニメ「紅の豚」だ。「紅の豚」の魅力を語り始めると止まらない。主人公は外見こそ豚だが、映画に登場する「飛べねえ豚は、ただの豚だ」や「カッコイイとは、こういうことさ」という、キザとも思えるセリフの数々に魅了されたという。親方は「あれがダンディズム」と絶賛し、男には名誉など守らなくてはならないものがあると力説。部屋の力士全員に見せており「男の世界」の相撲界で生きていく上での、教科書のように扱ってきた。
実は「紅の豚」と同様、宮崎駿原作のアニメを全般的に好んで見ている。昨年は「借りぐらしのアリエッティ」を部屋全体で観賞。「『借りぐらし』じゃなくずっと『仮住まい』だと思っていたよ」というギャグを3度も聞いたほど、宮崎アニメの話をする時は生き生きとした表情を見せた。
「他の分野から刺激を受けて学ぶことが大切。『本を読め』と言っても、力士が自主的に読むわけない。でもアニメなら気軽に見るし、すんなり頭に入る。どこかで考える機会をつくりたいんだ」。厳しい稽古を課す一方で、全員が関取になることはできない、弟子の将来も常に案じていた。【元相撲担当・高田文太】


