8回表楽天1死二、三塁、ゼラス・ウィーラーに勝ち越し右犠飛を許し降板する守屋功輝（中央）（撮影・上田博志）

阪神がジリジリと下降してきた。頼みのリリーフ陣が崩れた。

8回を投げるはずのジョンソン昇格が見送られ、この夜、代わりに立った守屋が打たれた。

中西　倉敷マスカットスタジアムのブルペンは屋外にあるから、そこの動きがよく分かる。3－3の7回から球児と守屋の2人が並んで投球練習を開始していた。ベンチとすれば、仮に7回裏に勝ち越した場合は球児、同点のままなら守屋をつぎ込む青写真。その7回裏は1死二塁になったが、福留、近本が凡退したことで、守屋がマウンドに向かったということになる。

その守屋が踏ん張りきれなかった。8回1死二、三塁。ウィーラーに勝ち越しの右邪犠飛を打たれ、代わった島本は続く辰己に左前適時打を許した。

中西　本来ならジョンソンの投入だった。だが、今となっては、ないものねだりをしても仕方がない。また、同点の8回は球児を立てる継投策も考えられた。しかし、ベンチとしては前カードのオリックス戦で3連投させていることを考えると、球児にリリーフを一極集中させたくないという思惑が働いてもおかしくはない。だから守屋、島本に託したがかなわなかったということだ。

ここにきて、もろにジョンソン不在の影響をかぶっている。交流戦前にあった貯金5は2まで減った。同一リーグ戦再開までの楽天、西武の5試合は正念場になる。

中西　オリックスに1つも勝てなかったのが誤算で重い雰囲気だった。ズルズルいかないためにも大事なカードの頭だった。リリーフにかかる負担をそれぞれにうまく分散させながらの起用になるだろうが、まずは先発が踏ん張ることだ。

【取材・構成＝寺尾博和編集委員】

楽天に敗れ引き揚げる矢野燿大監督（中央）（撮影・奥田泰也）