阪神近本が3回に今シーズン29個目の盗塁を決めた。この回5点を奪った後で大量リードした状況ではあった。広島サイドからの一塁けん制、ウエストボールで警戒されたが、それをかいくぐっての二盗だった。

私が現役時代にもっとも重視していたのはスタートだ(盗塁王5回)。この試合だけでなく、近本の「足」をみていると、一塁からの左足の蹴りから非常にスタートの切り方がいいのが分かる。

私自身、盗塁のタイミングをはかるのは、ピッチャーの動作がすべてだった。これから近本がさらに成長していくために、投手、捕手のクセ、二遊間の野手の動きなどを研究していけば、さらに成長を遂げるはずだ。

ここまで1、2番で起用されてきた新人を生かすためにも、クリーンアップの確立が課題になってくる。開幕から大山が「4番」で105試合に出場したが、ここ22試合はマルテが座っている。来季に向けてこの主軸を中心にしたクリーンアップの固定が大きなテーマになる。(日刊スポーツ評論家)