<阪神6-3DeNA>◇31日◇京セラドーム大阪
“岡田野球”がちりばめられた新監督のシーズン初勝利になった。
-ピッチャーを含めた“守り”がポイントになった。
吉田 岡田野球の縮図のような、意義ある1勝でした。監督が勝つためのチーム作りをするための思慮深さが見てとれた。まず言えるのは両軍の対照的な守備力がゲームを左右したということです。いかに守りが大事か。特に1回1死から林の二塁寄りのゴロに、中野のファインプレーが流れを作った。7回は途中からライトに入った板山がスライディングキャッチで助けました。
-こちらが「えっ?」と思ったのは、6回表のピッチャーの代えどきだ。2死一、二塁、左の神里を迎えた。5点リードしていたにもかかわらず、岡田監督は青柳に代えて、岩崎をリリーフに送り込んだ。
吉田 普通だったらやらない継投ですよね。ピッチャーが青柳で、5点もリードしてるんですからね。でもあそこの継投には、岡田監督がいかに7、8、9回が大事かを知り尽くしていて、「JFK」のような勝ちパターンを築きたいという心理が隠されている。だからあそこを岩崎で抑えにいって、その後の3イニングで“形”を作りたかったのではないか。打たれはしたが、わたしは“らしい”なと、そう思ってみていました。
-それでも終盤はDeNAに追い上げられ、危ないシーンが見受けられた。
吉田 そもそもDeNAの主力をスタメンから下げての戦いには疑問符がつく。阪神は終盤に投げるピッチャーは人選中ということだと思います。それとノイジーがヒットを打ったときに岡田監督が表情を崩したのは印象的だった。随所に将の思いが詰まった1勝でした。
【取材・構成=寺尾博和編集委員】