昨年から広島戦9戦負けなし、5連勝中のDeNA東に対し、広島打線がどう仕掛けるか。それがポイントになると見ていた。発表されたオーダーは、8番に打率3割台の投手森下。そこに新井監督の意図を感じた。すると、7回2死二、三塁で7番シャイナー。一塁は空いている。DeNAは大原投手コーチがマウンドに行き、対応を確認。その上でシャイナーとの勝負を選び、決勝3ランを打たれた。

前打席でヒットを打たれているとは言え、試合前まで打率1割台。選択自体は間違いではない。ネクストには石原がいた。仮にシャイナーを歩かせていた場合、石原はカムフラージュだったのか、本当に森下に代打だったのかは分からない。確実に言えるのは、8番森下のオーダーがDeNAに揺さぶりをかけたということだ。シャイナーを7番に上げたことも功を奏した。広島は、上位打線はほぼ固まっている。下位をどう組むかが考えどころだが、これまで通りなら、7番会沢、8番シャイナー、9番森下だったと思う。東攻略に向けた広島のベンチワークが実ったと言える。

東は6回までは付け入る隙がなかった。球数が80球に達した7回、少し真ん中に集まり始めた。それを、広島打線が逃さなかった。決めたのはシャイナーだが、カギは4番の小園だった。今季の対東は試合前時点で11打数9安打、打率8割1分8厘。DeNAバッテリーは初回の第1打席は外の変化球中心で左飛を打たせたが、形は崩し切れていなかった。4回の第2打席は一転、内の真っすぐ中心に攻めたが右前打。そして、7回無死一塁で初球の甘いカットボールを右前に運ばれた。結果、シャイナーの3ランにつなげられた。

手を替え品を替え、何とか抑えようとしても合わされてしまう。野球の不思議なところで、どんなにいい投手でも相性が悪い打者はいる。ただ、詰まらせたり、泳がせたり、何かのタイミングで打ち取ることができれば、相性が逆転することもある。そのタイミングがいつ見つかるかなのだが、見つからないままなら勝負を避けるしかなくなる。

この日は相性の悪さがDeNAにはあだとなった。東も、森下も、球のキレ、制球、緩急と投手に必要なものを全て見せてくれた。それでも、たった1イニングの攻防で勝敗が分かれる。いい投手同士が先発したときの典型的な展開だった。(日刊スポーツ評論家)