阪神85年日本一の守護神で、05年のリーグ優勝時に投手コーチを務めた中西清起氏(62)が古巣の試合をチェック。プロ初の10勝を挙げた才木浩人投手(25)の投球をたたえ、阪神が逆転優勝するために必要なことを挙げました。【聞き手=松井清員】

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才木は時折甘い球もあったり、絶好調ではなかったと思う。でも序盤はカーブを交えた緩急、中盤はフォークを多め、終盤は制球重視という感じで、配球パターンを変えながら粘り強く投げていた。150キロを超える球の強さもあり、4番村上にはフォークも交えた高低もうまく使って打ち取り、打線を分断していた。

10勝できた大きな要因は、スライダーを覚えたことだろう。昨年までは真っすぐとフォークが軸だったが、スライダーが加わったことで高低にプラス、左右も使えるようになった。特に左打者にとって厄介な膝元に食い込む球が効果的で、投球の幅が広がっている。

20年オフに右肘のトミー・ジョン手術を受け、今年が復帰3年目のシーズン。ちょうど感覚がフィットする時期で、経験者によると肘が以前より強くなることが多いと聞く。才木の球速も年々上がり、22年4勝、23年8勝ときての10勝は、その効果も大きいだろう。

才木はここ2試合勝てていなかったが、初回の3点援護が勇気づけた。2死満塁から前川がしぶとく押し出しを選び、特に木浪の2点打はチーム全体を勢いづけた。7回と8回も含めた8得点は、すべて2死からで打線もよく粘った。週末の中日戦のいやな流れを吹き飛ばす最高の形で、6連戦の好スタートが切れた。

首位広島も勝ち、ゲーム差は5のまま。広島より7試合少ない残り31試合で、逆転Vは他力にも頼らざるを得ない阪神は、苦しい状況に変わりはない。仮に20勝11敗でいっても75勝で、優勝した昨年の85勝には遠く、何としても大型連勝がほしい状況だ。その意味でも、ヤクルト3連戦は必ず3つ取って、週末の広島3連戦に向かいたい。広島との直接対決も残り6試合しかなく、3連戦で2勝1敗なら1つしか縮まらない。でも3つ取れば、一気に機運は高まる。今週は6つ全部勝つ気概で臨んでほしい。(日刊スポーツ評論家)

阪神対ヤクルト ヤクルトに勝利し梅野(左)からウイニングボールを手渡される才木(撮影・加藤哉)
阪神対ヤクルト ヤクルトに勝利し梅野(左)からウイニングボールを手渡される才木(撮影・加藤哉)
阪神対ヤクルト 阪神才木は勝利球を使って10勝ポーズを作る(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 阪神才木は勝利球を使って10勝ポーズを作る(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 「TORACO DAY」で勝利を飾ったヒーローの才木(左)と木浪はタイガースガールズと一緒にポーズを決める(撮影・上山淳一)
阪神対ヤクルト 「TORACO DAY」で勝利を飾ったヒーローの才木(左)と木浪はタイガースガールズと一緒にポーズを決める(撮影・上山淳一)