現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(55)が試合をチェック。逆転3ランを放った阪神森下翔太外野手(24)の好調要因や、大山悠輔内野手(29)の攻守にわたる貢献を解説しながら、大逆転優勝へ「スキのない野球」を求めました。【聞き手=松井清員】
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内にきたカットボールをコンパクトにさばいた森下の逆転3ランは見事でした。球宴明けから状態が良いのは、この日のようにバットを少し短く持つ打撃スタイルに変えたことに尽きると思います。長く持っていた時はヘッドが出てこず、内角は差し込まれて左翼方向にファウルを打つことも難しかった。この日のカットボールへの対応も厳しかったでしょう。でも短く持っても飛距離は落ちていないし打球が飛ぶ。内角も怖くないし、たとえ詰まっても持っていけると本人も感じ、すごく良い感覚で打席に立てていると思います。
もう1人の殊勲は大山です。森下3ランのあとの4点目の適時打はもちろん、特に7回の2点タイムリーが大きかった。1死満塁で佐藤輝が三振していやなムードが漂った直後、しかも終盤追い上げられただけに価値ある3打点です。一塁守備でも佐藤輝からのショートバウンド送球を2度難なく処理したり、守備でも大いに大竹を助けました。
この日の大竹は状態が良くなかったと思います。ボールにキレがなく、制球も定まっていなかった。でも森下や大山の活躍で救われました。広島打線も前回初黒星をつけたとはいえ、苦手意識があるのでしょう。いろんなアシストも相まって、あらためて広島にいやなイメージを与えられた白星になったと思います。
崖っぷちで4ゲーム差に戻し、優勝争いに踏みとどまりました。残り26試合、厳しい状況に変わりはありませんが、絶対にスキを見せないことが大切です。この日も初回に併殺を取り損ねた佐藤輝のファンブルや、7回の森下のけん制死などがあり、前日は木浪の犠打失敗がありました。広島も巨人も、昨年の王者で実力のある選手がそろっている阪神が一番怖いはずです。ただ広島は、こういうスキをほとんど見せない。追うチームは1つのミスが命取りになる。凡事徹底できるかも重要なポイントです。(日刊スポーツ評論家)




