さあ首位攻防戦-。猛虎よ、スキを見せるな。阪神は敵地DeNA戦を0-1で落とし、4試合ぶりの黒星を喫した。広島3連覇監督で日刊スポーツ評論家の緒方孝市氏(56)は両監督の攻めの采配をたたえつつ、阪神の2つのミスが勝敗を分けたと指摘した。16日からは0・5ゲーム差に迫られた2位広島を甲子園で迎える。勢いに乗る新井カープを止められるか。スキのない野球が首位死守の鍵を握る。

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まず最初に言いたいのは、素晴らしいゲームだったということだ。藤川監督は好投のデュプランティエを5回で代え、攻めの継投を展開。三浦監督も7回に3四球があったとはいえ、2死満塁でジャクソンを交代させた。無失点の投手をマウンドから降ろすのは、監督としても勇気がいるもの。さらに両軍ともに終盤に石上、植田という代走を起用し、非常に警戒される状況で盗塁も決めている。両指揮官の積極的な采配が、1-0というギリギリの戦いを生んだ。

それを踏まえて言うが、阪神側に見過ごせない2つのミスがあった。4回無死一、二塁で大山の左飛に対して、二塁走者の森下がスタートを切った。暴走というつもりはない。左翼を守る佐野の守備力や捕球態勢を見て、いけると判断したのだろう。しかしタイミングは悠々とアウト。これはやはり痛かった。というのも、3回表に得点圏に走者を背負い、ジャクソンは近本、中野への内角球をボールと判定され、イラ立っていた。4回も先頭から連続四死球でピンチを招く。崩れかかった中で、森下の走塁は相手が立ち直るきっかけになってしまった。

ただし森下は4回裏の守備で牧の右中間への当たりをスライディングキャッチし、単打にとどめている。打てなくても、守備の貢献度が高く、消極的な姿勢にはなってほしくない。前向きな反省で今後につなげてほしい。

もう1つのミスは、8回2死だ。代打九鬼の打球を佐藤輝がツーバウンド送球し、内野安打とした。両軍無得点で三塁線を締めている状況で、正面の打球だ。三塁後方の位置から距離はあったが、あれは送球ミスといっても過言ではない。そこから決勝点を失うわけで、DeNAからすれば、相手のスキを突いて、もぎ取った1点だ。9回表は牧のファインプレーでゲームを締めたが、ミスが勝敗を分けた試合だった。

16日からは首位攻防戦だ。広島はリーグで最もチーム状態がいいといえる。ケガ人が戻り、打線の顔ぶれがそろい、万全だ。ミスをすれば、甲子園といえども、勢いのある広島は止められない。スキを見せれば、順位は入れ替わるだろう。首位を守れるのか、甲子園での戦いは注目だ。(日刊スポーツ評論家)

DeNA対阪神 阪神に勝利しスタンドの声援に手を振って応えるDeNA三浦監督(撮影・足立雅史)
DeNA対阪神 阪神に勝利しスタンドの声援に手を振って応えるDeNA三浦監督(撮影・足立雅史)