今年6月に1軍デビューを飾っていたプロ3年目のソフトバンク栗原陵矢捕手(21)が2日2軍に降格した。高谷が脳振とうによる抹消から復帰したことによる入れ替え。栗原は今回が2度目の1軍だった。

 「1軍と2軍は想像以上に違った。人から言われても、あれは自分で肌で感じないと分からない。もう1度あの場所に戻りたいし、ずっと1軍にいたい」

 高谷が右手を負傷したことで6月に1軍に初昇格していた栗原。高谷が復帰し、7月に2軍に戻った時に口にしたのがこの言葉だった。試合の緊張感、勝利の喜び、球場の雰囲気…。どれをとっても格別だったのだろう。しみじみと語っていた姿が印象的だった。

 今季の1軍捕手陣は甲斐、高谷、鶴岡の3人。昨年は高谷が正捕手だったが、今年は甲斐が主戦の座をつかみ取った。12球団屈指の強肩は相手チームが盗塁をためらうほど。栗原は「僕は拓也さん(甲斐)以上に打たないと試合には出られない」と、打てる捕手を目指して鍛錬の日々だ。

 清水バッテリーコーチは春先にこう言っていた。「ベテラン1人、若手2人という組み合わせでもいい。俺がレギュラーを取るんだという気持ちを見せてほしい」。栗原は故障者の穴埋めではなく、実力で1軍に定着できる日を目指し、再び2軍で汗にまみれる。【ソフトバンク担当 福岡吉央】