甲子園の記者席からは内野席のファンの後ろ姿がよく見える。お気に入り選手のレプリカタテジマや限定ユニホームが、緑色のスタンドに映える。よく見るのは鳥谷の「1」や糸井の「7」。熱狂的なファンはもちろん、興味を持ったばかりのファンからも好まれている印象だ。女性ファンが着ている姿もよく見る。

 球団営業部に取材すると、やはり売り上げの1位は鳥谷、2位は糸井という。3位は意外と言っては失礼だが糸原。キャプテンの福留や選手会長梅野、大砲候補の大山、中谷らを抑えてのトップ3だ。球宴にも選ばれた売り出し中の25歳。食らいつく打撃など、堅実でしぶといプレースタイルが、玄人も多い虎党のハートをつかんだようだ。その他にも植田ら伸び盛りの若手のグッズ売れ行きもいいという。

 球団は虎党のハートをがっちりつかむ。16日から開催される「ウル虎の夏」では来場者全員に「オリジナルジャージー」がプレゼントされる。もらった時点では背中には何も入っていないが、球団では金本監督、選手17人、マスコット2体のいずれかネームの圧着サービスを有料で行うという。17人にはトップ3はもちろん、植田や小野、才木、高橋遥ら若手の名前もある。担当者は「熟考を重ねた末のラインアップです。若手の台頭を喜んでくださるファンの方も多いので」と説明。黄色に染まるスタンドにどの番号を背負うファンが多いか。注目したい。【阪神担当 池本泰尚】