遊撃手争いが激化している。木浪が開幕スタメンだったが、巨人からトレード移籍した山本、ドラフト6位中野を含めて3選手が遊撃で先発出場。その遊撃で昨年先発出場しながら今シーズンはまだ1軍に呼ばれていない選手がいる。高卒3年目の小幡竜平内野手(20)だ。

昨年は54試合に出場し、そのうち遊撃では26試合で先発起用された。木浪に次いで2番目に遊撃を守っており、今年の春季キャンプでは1軍で完走した。ただ、3月以降は2軍での出場が続く。

2軍戦での小幡を見ると、守備時に投手に頻繁に声をかけている。3月16日の教育リーグ中日戦では1イニングに2回も駆け寄る場面があった。小幡に投手への声かけについて聞くと、こう返答した。「すごく意識している。1年目からそうですけど、ずっとショートを守らせてもらって、やっぱりショートが内野を引っ張っていかないといけないと思っている。そういった面でピッチャーに声かけであったり、コミュニケーションをもっと増やしていきたい。プレーの幅も準備力も上がっていく」。声かけの内容は、状況に応じたプレーの予測やランナーのリードの大きさなど、「次の準備が一番です」と余念がない。

打撃面では昨年、球団25年ぶりの10代野手の打点を記録した。しぶとい打撃で今年もウエスタン・リーグでは12日時点で打率3割、出塁率3割5分2厘と高い数字だ。走塁に関しても、「積極性は常に言われてきていますし、少しのワンバウンドでもどんどん突いていきたい」と高い意識で取り組む。

現状は2軍でコツコツと実力を積み上げていくが、狙うはもちろん1軍でのレギュラー。ライバルが多いが、走攻守すべてに磨きをかけ、レベルアップを図る。【阪神担当 林亮佑】