反攻を期す阪神に不屈の男が帰ってきた。原口文仁だ。下肢のコンディション不良で出遅れていたが、4月26日に1軍昇格。27日、28日の中日2連戦(甲子園)で出番はなかったが、その存在感は際立っていた。矢野監督も27日の試合後に「めちゃめちゃベンチで声を出してくれているよ。フミ、帰ってきたんやなというのが明らかに分かる」と語ったほどだ。

チーム最年長である糸井は2月の春季キャンプでこんなことを言っていた。「グッチ(原口)にはほんまに去年勉強させてもらった。(代打は)一発勝負の難しさもある。そこで成功するために、あいつは見えないところで努力する」。試合前に強い打球の三塁ノックを受ける。なぜそんなことをしているのか? 答えは目慣らしだった。1打席に掛ける執念に感銘を受けた。

本職であった捕手の肩書を捨て、出場機会を求めて内野手として臨む13年目。左翼の守備にも積極的に取り組む。右の代打、一塁、有事の際の捕手…。幅広い起用が可能な唯一無二の存在だ。ベンチにいるだけで、周囲に元気を与え、首脳陣にも安心感をもたらす。上向き始めたチーム状況と、背番号94の存在は無関係ではない。【阪神担当 桝井聡】