プロ野球の厳しさを感じさせる季節が訪れた。阪神は1日、5選手に来季の契約を結ばないことを通告したと発表。そのうちの1人が岩田将貴投手(26)だった。鳴尾浜で1学年下で親交の深かった湯浅と、涙を浮かべながら抱擁した。
「僕が1年目の時、寮の部屋が一緒で何も分からなかったところを、あいつが全部1から教えてくれて。お互いに甲子園で投げようなんてずっと言ってきて。悔しいし、申し訳ない」
4年目の変則左腕。不退転の気持ちで臨んだ今シーズンだった。昨オフは岩貞、伊藤将らの自主トレに初参加。先輩たちの意識の違いを痛感し、考え方から見直した。シーズン前には選手寮・虎風荘を退寮。効率的に時間を使えるように工夫を凝らしてきた。
目標の1軍マウンドに向けて、ブルペンの投球から起用法を考えて投球してきた。イメージしたのは先輩左腕島本の起用場面。「俺やったらどうするかな」。1軍戦をチェックし、自分で1球1球場面を想定しながらシミュレーション。1軍投手のボールも受けるブルペンキャッチャーにも、貪欲にアドバイスを求めた。いざチャンスをもらったそのときのため、準備を怠らなかった。
ファームでは「圧倒的な数字」を目標に掲げてひたすら腕を振った。今季の2軍戦ではチーム3位の46試合に登板し、防御率は2・11。平均球速もアップした。手応えも感じていた1年。それだけに、かなわなかったこの日は無念の思いがあふれ出た。
「今年活躍できなければというのは正直あった。わがままというか、欲を言えばもっと見てほしかった。それなりに自分も今年に関しては手応えを感じていたので。チャンスが欲しかったなというのが正直あります」
今後は現役続行を希望する。1軍マウンドを目指してきた4年間。このまま終わるつもりはない。タテジマのユニホームを脱いでも、岩田の挑戦は続く。【阪神担当=波部俊之介】




