全日本大学野球選手権(神宮、東京ドーム)が9日、開幕する。代表校の中から、8人の注目選手を全4回で紹介する。17年ぶり11度目出場の青森大(北東北大学)の坪田幸三投手(4年=東奥義塾)は初の全国で完封勝利を狙う。

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青森大の新エースが初の全国に乗り込む。坪田は2年秋は主戦を担ったが、3年春は右肩の肉離れに苦しみ、出場は救援登板のたった18球。秋も復帰を急いだことによる再発でベンチ外。「『何やってんだろう…』という思いしかありませんでした」。チームも開幕6連敗。どん底のチームをスタンドから、ただ、ぼうぜんと見つめていた。

復帰後は別の問題に直面した。「けがをかばいながら投げていたせいで変な癖がついて、『なんか違う』という感覚でした」。今春キャンプのオープン戦でも結果を残せず、ベンチ入りも危ぶまれた。キャンプ最終日の全体ミーティングで体が勝手に動いた。「もう1度、チャンスをください」。気づいたときには全員の前で頭を下げていた。「言おうと決めていたわけでもなかったので、それくらい焦っていたんだと思います」と振り返った。

「ラストチャンス」と臨んだ社会人チームとのオープン戦では、先発し5回2安打無失点。状態がいいわけではなかったが「なんとしても抑えようという思いしかありませんでした」。春のベンチ入りをつかんだ。5試合に先発し、防御率0・55。期待に応え、17年ぶりの全国出場へ導いた。

困難と向き合い、再出発を切った。復帰後は2年秋の絶好調だった自分に戻ろうと必死だった。だが、それが不調につながった。「ここからまた上達していこうと思っています」。最速148キロで押していた以前と違い、今はカットボーラー。それでも、目標である「155キロ」への歩みは止めない。「完封したい」と意気込む全国で、新たな姿を見せる。【木村有優】

◆坪田幸三(つぼた・こうぞう)2004年3月1日生まれ、青森県青森市出身。小3時に浪岡北BBCで野球を始め、浪岡中では軟式野球部。東奥義塾では1年夏からベンチ入り。青森大では2年秋に初のベンチ入り。今春は最優秀選手賞、最優秀防御率賞、ベストナイン。最速148キロ。179センチ、79キロ。右投げ右打ち。好きな芸能人は生見愛瑠。