全日本大学野球選手権(神宮、東京ドーム)が9日、開幕する。代表校の中から、8人の注目選手を全4回で紹介する。3年ぶり37度目出場の東北福祉大(仙台6大学)の堀越啓太投手(4年=花咲徳栄)は非公式ながら164キロをマークし、日米スカウトが注目する。

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衝撃的な全国デビューから3年。東北福祉大の堀越が帰ってくる。22年の全日本大学野球選手権では、チームの1年生で唯一出場し大会最速の154キロをマーク。花咲徳栄時代は甲子園出場もなく、堀越にとって初めての大舞台だった。「自信になったというのが一番でした。でも、目指している数字はまだまだ上だったので、満足はしていませんでした」と振り返った。

剛腕誕生の秘密は高校時代の指名漏れにあった。入学時にはすでに138キロ。野球を始めた頃からのルーティンである柔軟のおかげで、もともと球速には自信があった。だが、プロ志望届を提出するも、吉報は届かなかった。「ずばぬけているものが必要だ」。迷わず「直球」を磨くことを決意した。

2度目のドラフト挑戦が始まった。「人生経験」と寮を出て、埼玉・飯能市内の自宅から片道2時間をかけて学校へ通った。高校野球引退後も変わらず毎日練習に参加した。「球速を上げるために、コントロールを無視して、スピードだけに重点を置きました」と、とにかく球速にこだわり、ひたすら投げ続けた。指名漏れから2カ月後に150キロを計測。自信となり、制球力向上にもつながった。

大学でも成長は止まらなかった。2年冬には茨城県内のトレーニング施設で164キロをマーク。昨年6月の侍ジャパン大学代表選考合宿では162キロを計測した。「スピードというところでは誰にも負けたくないです」。磨きに磨いてきたものは譲れない。「チームの勝利が最優先ですが、大会最速投手は狙いたいです」と意気込む。こだわり抜いてきた武器で勝負する。【木村有優】