西武が10年ぶりにパ・リーグを制した。野球評論家の西本聖氏に優勝の要因などを聞いた。

-最後まで「山賊打線」が良く打った

西本氏 「強い」としか言いようがない。チーム防御率はリーグで一番悪いのに、それ以上にバッターが頑張ったというイメージ。常識を覆す優勝と言っていいのではないか。

-総得点は12球団断トツ。本塁打はソフトバンクと並んで1位。そして盗塁数も12球団で1位

西本氏 他球団との一番の違いはスイング。「フルスイング」という言葉がぴったりとあてはまる。去年、今年と西武の春季キャンプを見たが、ティー打撃の時点からフルスイングすることが徹底されている。迫力が違うし、すごいなと思った。その積み重ねが、相手チームの投手や監督に「いつ逆転されるか、いつホームランを打たれるか」という恐怖心を与える打線となった。さらに打つだけではない。足も絡めながら打線につながりがあった。他のチームがゲッツーで終わるところを西武は足を使って進塁させるから攻撃が簡単に終わらない印象がある。

-一方で投手陣は

西本氏 菊池雄星は20勝できると思ったが、なかなか難しかった。勝ち頭の多和田が頑張った。阪神から移籍してきた榎田も良かった。リリーフに関しては辻監督も頭が痛かったと思う。中継ぎ、抑えを固定して戦うことができなかった。それでも後半はヒースやマーティンをうまく使ってしのいだ。

-セ・リーグ3連覇の広島とどちらが強い?

西本氏 今年に関しては広島の投手力がやや弱いという印象があるので、打ち合いになりそう。そうなると西武の方が一枚上手だと感じる。その理由として源田の存在が大きい。しつこいし、走れるし、広島で同じ役割の菊池よりも今季に関しては上。両チームが日本シリーズに出られるかはCS次第だが、ぜひとも見てみたいカード。ワクワクするような戦いになると思う。