プロ5年目の阪神西純矢投手(22)は、母校・創志学園(岡山)の1学年下の後輩からの伝言に静かに耳を傾けてくれた。
言葉の主は立命大の主将、竹内翔汰外野手(4年=創志学園)。関西学生野球連盟で春季リーグの首位打者に輝いたプロ注目の打者だ。
春季リーグ最終戦を終えた後、記者は竹内から西純への伝言を預かった。
「西さんが投げられた試合は基本、全部見させていただいています。また1軍で投げている姿を楽しみにしています。僕も西さんに負けないように頑張ります」
恐る恐る、先輩右腕に言葉を伝えた。
すると、今度は逆にタイトルを獲得した後輩への思いを託された。
「(首位打者を)取れたことはすごいと思います。それがゴールじゃなく、通過点にしてもらいたいなと思います。プロを目指すなら、『それぐらい取って当たり前』と思う方がいいですね」
先輩は“逆算力”の重要性を力説した。
「みんながアマチュアで活躍して、プロに入れるわけではない。そこからどうプロで活躍していくかを早いうちに考えるのが大事」
そして、プロでの2人の対決を夢見る後輩へ、力強くエールを送った。
「機会があったら対戦したいです。後輩でプロを目指す選手はだいぶ限られるので。一緒に高校時代を過ごした後輩なんで、特別な感じがありますし、本当に頑張ってほしいです!」
先輩は満面の笑みでそう言った。
西純が最上級生だった高校3年夏の岡山大会準決勝では先輩が「4番投手」、後輩が「9番中堅」で出場していた。
そんな後輩は23年3月、鳴尾浜球場でプロアマ交流試合の2軍阪神-立命大戦で3打数2安打1打点をマークしている。
今後が楽しみなプレーヤーに違いない。
記者はアマチュア野球の担当。時々足を運ぶ鳴尾浜球場では毎回、戦々恐々としながら選手に足を止めてもらっている。
雨上がりで快晴だった5月末のある日。竹内の伝言に誠意を持って答えてくれた西純と、かつて同じユニホームを着たプロアマの両選手がたたえ合う心意気に、いつの間にか勇気をもらっていた。【アマチュア野球担当、遊軍 中島麗】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)




