メジャーリーグの東京シリーズが盛況のうちに終わった。

巨人、阪神とのエキシビションも含めて6試合。あらためてその魅力と、日本野球の素晴らしさも再確認させてもらった。同時に日米の違いを感じるシーンが多かった。

その1つが審判だ。たとえば走者一塁、つまり二盗に備える場面。二塁塁審はダイヤモンドの内側で構えるのがスタンダード。しかし今回来日した審判は外側に位置し、外野側からジャッジするケースが目立った。90年代後半に米国から持ち込まれた内側ポジションはタッチが見やすく、定着していた。それだけに米国が「外」に回帰しつつあると知って、驚いた。

開催中のセンバツ取材で会った日本高野連の審判規則委員長・尾崎泰輔さんに聞いてみた。日本の高校野球は例外なく「内」。今大会も当然そう。内と外に分かれる理由は、内野手のベースへの入り方や、タッチの方法などに関係している。一定の条件下なら「外」の方がジャッジの精度が高まるという。

ベテランのNPB審判員によると、NPBにも「外」派が出てきたそうだ。スタイルは個人に任せていて、クルーと連係できていればとくに問題ないという認識。内で構えていても、適切なポジションを求めて外に移動したりと、高度な技術も生まれている。

野球は日進月歩だ。MLBは、魅力創出のための新ルールづくりをいとわない。選手は困惑する間もなく、ピッチクロックや、大きく平べったいベースにも難なく適応したように見える。審判も同じ。選手が新しい技術を繰り出せば、対応すべく変わっていく。日本でもそれは同様だろう。

高校野球のルール改正においても、事情に合わせて柔軟であってほしい。酷暑対策として7イニング制やDH制の導入を巡る議論が真っ盛り。センバツで、久しぶりに現場におもむくと、そこかしこでプチ討論会が発生していた。とくに、野球の核心に触れる7回制は、球数制限やタイブレークとは比べものにならない重い判断になる。大会関係者は「議論百出はありがたい」と話していた。

甲子園が絶対的な存在である日本の高校野球は、極めて特殊な競技だ。ここのルール改正に関しては、米国や国際規格を参考にする必要はない。球児の健康と、高校野球文化を守ることに特化した日本独自のアレンジメントを期待したい。【遊軍=柏原誠】