開幕2カード連続での負け越しは「指揮官・岡田彰布」にとっては初めてだという。そこについて虎番キャップたちから出た質問に岡田は「想定外やなあ。まあ、ちょっとやけどな」と冷静に話した。
負けは常に痛いが、この日ももったいないというか惜敗ではあった。先発・西勇輝が粘って5回無失点。佐藤輝明を6番に下げ、5番に前川右京を入れた“新型打線”はそこが機能し、4回に2点を先制することに成功。これは勝てるか…と思ったが6回に西勇が崩れる。
1点を失い、なお1死満塁。ここで左腕・桐敷拓馬に託したが、さすがに状況は苦しい。代打・楠本泰史に逆転となる適時打を浴びてしまった。「あれは責められへんよ。そら」。岡田がそう振り返った場面だ。結局、この回の3失点が響き2-3。悔しい1点差負けとなってしまった。
「もう、ちょっと、やっぱりヒットが出んとあかんわなあ」…。ここでの1本が出ず、岡田もそう嘆いた敗戦の後でこんな話を書くのもどうかと思うけれど、昨季の阪神らしくなってきた部分もあるのだ。それはブルペン陣だ。
東京ドームで巨人に連敗した後の4試合でブルペン陣は失点していない。この日の桐敷がかえしたのは西勇の残した走者。抑えれば最高だったけれど、繰り返すが苦しい場面だった。これで救援防御率はリーグダントツの「0・87」。救援投手自身は走者を出しても失点せずに踏ん張る。そんなゲームがこれで4試合続いたことになる。
「1回に4失点したけど野球なんでそういうときもあると思います。でもその後、リリーフが頑張ってくれて。こういうのを続けていければと思います。トーナメントじゃなくてリーグ戦なんでね」
2日にこんな話をしたのは坂本誠志郎だ。このDeNA3連戦は同日の第1戦で昨季のMVP男・村上頌樹が1回4失点の“まさかの事態”から始まった。その敗戦後、村上をうけた坂本と少し話したときのこと。勝負は相手のあるもの。苦しいときもあるし、ミスも出る。そこを切り替え、踏ん張れれば勝機は訪れるはず。それが長いシーズンの戦い方と、説明した。
その通りだと思う。2勝4敗のスタートは昨年日本一チームとしては寂しいが、まだ始まったばかり。虎党はここから立て直す姿を見たいのだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)