虎党が頭を抱えるであろうシーンは1回裏に起こった。2死二塁で巨人の4番・岡本和真は三塁線を襲う鋭い当たり。これに佐藤輝明が反応する。逆シングルで捕球し、一塁へ送球した。だがボールは大山悠輔の手前でバウンド。悪送球の適時失策となった。

巨人対阪神 1回裏巨人2死二塁、岡本和の打球を一塁へ悪送球する佐藤輝(撮影・上田博志)
巨人対阪神 1回裏巨人2死二塁、岡本和の打球を一塁へ悪送球する佐藤輝(撮影・上田博志)

西勇輝、山崎伊織の好投もあって両軍に入った得点はこの1点だけ。京セラドーム大阪でなんとか広島から1勝をもぎとり、東京ドームに乗り込んだ阪神にとっては痛い敗戦となった。 ここに来て失策、悪送球の目立つ佐藤輝だ。話だけ聞けば「また、やったんかいな」と思う人もいるだろう。しかし現場で見ていれば、なかなか微妙なものだった。指揮官・岡田彰布も大声を出してワンバウンド送球を指示したという。佐藤輝の失策は記録員が判断したものだが、はっきり言って、どちらのミスとも受け取れるものだ。

内野守備兼走塁コーチの馬場敏史も「お互いさまやね。欲を言えば捕りやすいワンバウンドがよかったけど」-。要するにアウトにできれば美技になった難しいプレーだった。これに関しては不運だったとしか言いようがない気もする。

そもそも、この日に限って言えば、そこが焦点ではないのでは、と思ってしまう。佐藤輝の失策は確かに目立つし、特に適時失策はよくない。それでも内野手、特にサードにミスはつきもの。大事なのはそれをチーム全体でどうカバーするか、のはずだ。

巨人対阪神 9回表阪神2死、ケラーの前に空振り三振に倒れる佐藤輝(撮影・野上伸悟)
巨人対阪神 9回表阪神2死、ケラーの前に空振り三振に倒れる佐藤輝(撮影・野上伸悟)

とにかく、もっと打て! と思う。特に打球が飛ぶとされる東京ドームで打ってほしい。交流戦を除き、阪神の対戦打率で巨人戦はワースト2位のチーム打率2割2分9厘だ(ワーストは広島戦)。逆に防御率は1・83で、セ・リーグでは巨人にもっとも打たれていないことになる。

序盤から続いていた「投高打低」の傾向は巨人戦でもっとも顕著になっていると言えるかもしれない。だが、いい面もある。カード別でもっとも本塁打しているのは巨人戦で10本だ。うち東京ドームでは半分以上の6本を放っている。本塁打の多くない阪神にしては打っている方だろう。

ここでも時折、細かい話を書くので恐縮ではあるけれど、1つの失策どうこうよりスカッとするものを見せてくれという話だ。100周年記念カードの前回、甲子園ではガンガン打ったではないか。順位どうこうはそれからのことだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

1日巨人戦で右越えソロ本塁打を放った佐藤輝明
1日巨人戦で右越えソロ本塁打を放った佐藤輝明