この敗戦の何が痛いと言って、前日の劇的展開を受け、阪神に流れが来ている! と思う展開だったからだ。試合前から雨が降る気配は濃厚。そういうときは先取点が必須だ。そこで首尾よく先制に成功。しかも、そこにはもう1つの“要素”があった。

先制点に相手の失策が絡んでいたことだ。1回、1死一塁から森下翔太の当たりは遊ゴロ。「併殺か」と思った瞬間、巨人の遊撃・門脇誠が打球をしっかり捕球できずにオールセーフ。これで1死一、二塁になった。その後、4番・大山悠輔に適時打は出たのだ。

「阪神の失策数が多い、巨人のそれが少ないと言っても、本当はあまり比較にならないと思いますね。やっぱり人工芝かそうでないかの差は大きい。巨人の選手だって、甲子園やマツダスタジアムがホームなら、その数はまるで違ってくると思いますよ」

先日、広島3連覇監督の緒方孝市(日刊スポーツ評論家)と話したときにこんなことを言っていた。実際に戦っている現場としては首脳陣も選手も言い訳に聞こえるということで、なかなかそうは言わないものだが、やはりグラウンドの違いは大きいのだろう。

いかに甲子園に神業の阪神園芸が存在するといえど試合が進んでいけば、やはり人工芝とは違う微妙なものが出てくる。もちろん、過去にそんな話を聞いたのは緒方からだけではない。やはり、現場でやってきた人々の実感なのだろう。

だからこそ細かい雨が降る中で、土のグラウンドで、巨人の守備陣が先にミスをし、先制できた。これは阪神に流れが来ている。そう思ったのだ。だが、それをはき出してしまったのは、これも失策からだった。

同点になっていた7回無死一塁。吉川尚輝の三塁前バントを処理した佐藤輝明が一塁に悪送球してしまう。記録は内野安打と失策で無死一、三塁に。無失点で終えるのは難しい局面だ。はたして勝ち越された後、小林誠司の佐藤輝の前へのセーフティースクイズは犠打野選となり、2失点。これで試合が決まった。

結局、7回を終えてのコールド負けに指揮官・岡田彰布は「しゃべる気にもならん。消化試合ちゃうんやから」。試合決行に不満を示したようにも聞こえるボヤき節だ。だが、こればかりは相手も同条件。本当にシーズンの残りを消化試合にしないためにも奮起してほしいのである。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

阪神対巨人 7回表巨人無死一、三塁、佐藤輝は小林の三塁線セーフティースクイズを梅野へトスするがセーフとなる。三塁走者は吉川(撮影・加藤哉)
阪神対巨人 7回表巨人無死一、三塁、佐藤輝は小林の三塁線セーフティースクイズを梅野へトスするがセーフとなる。三塁走者は吉川(撮影・加藤哉)
阪神対巨人 7回表巨人無死一、三塁、佐藤輝は小林の三塁線セーフティースクイズを梅野へトスするがセーフとなる。三塁走者吉川、捕手は梅野、手前は西勇(撮影・加藤哉)
阪神対巨人 7回表巨人無死一、三塁、佐藤輝は小林の三塁線セーフティースクイズを梅野へトスするがセーフとなる。三塁走者吉川、捕手は梅野、手前は西勇(撮影・加藤哉)
阪神対巨人 7回表巨人無死一、三塁、小林の犠打を本塁へグラブトスするも間に合わず野選となりうつむく佐藤輝。左は西勇輝撮影・前田充)
阪神対巨人 7回表巨人無死一、三塁、小林の犠打を本塁へグラブトスするも間に合わず野選となりうつむく佐藤輝。左は西勇輝撮影・前田充)
阪神対巨人 7回表巨人無死一、三塁、佐藤輝は小林のバントを本塁へグラブトスするもフィルダースチョイスとなる(撮影・上田博志)
阪神対巨人 7回表巨人無死一、三塁、佐藤輝は小林のバントを本塁へグラブトスするもフィルダースチョイスとなる(撮影・上田博志)
阪神対巨人 7回表巨人無死一、三塁、佐藤輝は小林のバントを本塁へグラブトスするも野選となる(撮影・上田博志)
阪神対巨人 7回表巨人無死一、三塁、佐藤輝は小林のバントを本塁へグラブトスするも野選となる(撮影・上田博志)
阪神対巨人 7回表巨人無死一、三塁、佐藤輝は小林のバントを本塁へグラブトスするも野選となる(撮影・上田博志)
阪神対巨人 7回表巨人無死一、三塁、佐藤輝は小林のバントを本塁へグラブトスするも野選となる(撮影・上田博志)
阪神対巨人 7回表巨人無死一塁、佐藤輝は吉川のバントを一塁へ悪送球する(撮影・上田博志)
阪神対巨人 7回表巨人無死一塁、佐藤輝は吉川のバントを一塁へ悪送球する(撮影・上田博志)