いつも書くが「相手もプロ」と思ったのである。森下翔太の走塁だ。あらためて振り返る。0-0の4回表、無死一、二塁。ここで5番・大山悠輔は左飛を打ち上げた。この打球で二走・森下はタッチアップで三塁を狙う。しかし左翼・佐野恵太-遊撃・林琢真-三塁・三森大貴と渡った送球で憤死した。

普通に見れば「暴走」だろう。だが今季の阪神、好走塁を見せる場面が多いのは周知の通り。「暴走と好走塁は紙一重」と言われる場合もある。もう少しだけ推測すれば佐野の守備力、油断があるだろう…などと森下なりに考慮して突っ走ったのだと思う。

「いろいろな根拠がある中で判断し、やっていることだから。ボクは責めることはしない」。外野守備兼走塁コーチの筒井壮がそう言ったのも同じような見方をしているからだろう。

正直“予備知識”なしなら結果がどうだったかは分からない気もする。驚きという要素が加わるからだ。しかし今季、阪神がそういう走塁を仕掛けるのはすでに知られている。だからこそ林も必死でカットに行っていたし、そこはDeNAの守備が上回ったということだろう。

できれば、この“ミス”を打線でカバーできれば良かったのだが0点ではどうしようもない。この4回を含め、3、6、7回と4度まで先頭打者を出しながら無得点というのはいただけない。クリーンアップが無安打に終わったも、もちろん、そこにつながる話だ。

「相手も素晴らしいチームですから、こういうギリギリの展開になるんですけど。自分たちとしては最後にいい形をとれたので、それを継続する。それに尽きますね」。指揮官・藤川球児も敗戦を受け、そう話すしかなかった。

正直に言えば、もう少々、具体的な話がほしいところではあるが、言えないこともあるのだろうし、そういう気分のときもあるだろう。ここは指揮官の言う通り、次に向かうしかない。

16日からは甲子園で0・5ゲーム差の2位・広島と首位攻防戦だ。先週は巨人と首位争いだったし、気の抜けない試合は続く。虎党とすれば、この状況を楽しむ方がいいのかも。ずっと勝ち続けることはない…というのは真理なのだから。

そしてホームでは現状、8勝9敗1分と借金状態。広島、巨人と続く6試合で、まずはここを5割以上に持っていきたい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)