再び“負け越し”に転落だ。首位・阪神に対して何を言っているのか、と思われるかしれないがホームゲームでの話だ。今季の不思議な現象、それはホームで弱いことである。この日、延長戦の末、巨人に敗れて甲子園、京セラドーム大阪での24試合は11勝12敗1分けとなった。現在ホームで勝ち越せていないのは阪神と最下位ヤクルトだけだ。

それで首位にいるのはビジター戦績のおかげだ。ここまで12勝6敗1分けと、チームの貯金6はすべてビジターで作ったものである。この日が今季43試合目。残りはジャスト100試合となった。23日からは前回、3連敗を喫したバンテリンドームだ。区切りである交流戦まで、あと3カード。その最初、名古屋遠征は重要な戦いになる。

そんなタイミングで指揮官・藤川球児はある決断を下した。総勢10人の入れ替えを実行したのだ。主なところでブルペンで疲れの見える桐敷拓馬、そして野手では開幕から6番を任せることの多かった前川を再調整させたのである。

前日は雨が降りしきる中でのゲームで4-5と惜敗。ここでチーム全体のリフレッシュともいうべき行動に出たのか。このタイミングで動いたのは交流戦を見据えてのことだろう。

いま抹消すれば、次に登録できるのは交流戦直前。ヘルナンデスを昇格させたり、高寺望夢と木浪聖也の併用なども考えられるが、やはりDH制のある敵地では前川は必要になるはずだし、ここは復調を期待しての抹消だと見る。

「日々、何かが足りずにあと一歩というところは次の課題といいますか。シーズンは長いですから、それを打ち破っていけるような力を」。球児は敗戦後にそう話した。

もちろん、前川もこのままファームにいるつもりはない。「フォームを安定させて、本当、イチから作らないといけない。2軍というところに慣れてはダメだと思うんで。1軍でピリピリした雰囲気の中でもう1回、できるような準備をしていきたい」。この日、合流したファームのウエスタン・リーグ、オリックス戦で代打安打を放った後、そう話したのである。

森下翔太が途中で退いたように日々の戦いの中で状況がどう変化していくかは分からないが、だからこそ前川が必要なことに変わりはないはずだ。前川よ、10日間で帰ってこい-。そういう感じである。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)