【2015白球メモリー:光南・星雄太朗投手(3年)】

 県屈指の左腕の夏は、わずか9イニングで終わった。「悔しいとしかいえない。全力でやったんですが力を出し切れなかった」。涙も笑顔もない複雑な表情を浮かべ、時折「すみません」と言葉を詰まらせながら、試合を振り返った。

 昨秋の県大会3位決定戦(福島商戦)で3安打11三振完封し、チームを2年ぶりの東北大会に導いた。だが、年明けにヘルニアを発症。4月にはさらに肩も壊した。本格的な投球を再開したのは先月末から。今大会初登板のこの日も、打者の懐に食い込む伸びのある直球をみせたが、いい時との差は歴然だった。9回8安打10三振3失点。「調整不足があります」と認めざるを得なかった。

 将来性有望な星の元には既に多くの大学からオファーが届く。だが「今の段階では(やっていく)自信が湧かない。これから考えます」と話した。進路は本人次第。だが、星が再び輝くのを誰もが待ち望んでいるはずだ。【高場泉穂】