北照が函館工との延長を制し初戦を突破した。7回、1-3と逆転され、なお1死一塁。鳴海が先発山本からマウンドを託された。「しびれる試合で投げるのも嫌いじゃない」。一ゴロと空振り三振で後続を断つと、味方打線の援護を待ちながら延長13回まで散発3安打、7奪三振、無失点で守り抜いた。

 大会前の6日、野球好きだった祖父が他界した。いつもは形見のお守りを右後ろポケットに忍ばせるが、この日だけは忘れてバッグに入れたままだった。それほどマウンドに集中していた。「おじいちゃんとはいつも一緒にテレビで野球を見ていたので。お守り、忘れちゃいましたけど…」と笑った。

 次は昨年決勝で敗れた北海と4強をかけて戦う。この1年は雪辱のために、青森の実家から送られるパンを間食し体重を12キロ増量し、球速は140キロ台をマークするようになった。大事な初戦で好救援を見せたが、「やっぱり先発が好きです」。3年ぶり甲子園へ、どんな場面でも投げ抜く覚悟だ。【黒河祐介】