相模原9番打者、大谷紀人内野手(3年)の高校初めての本塁打も、試合の流れを呼び戻すことは出来なかった。3点を追う4回。2死から四球で一塁に走者を置いて、第2打席が回ってきた。1ボールからの2球目。「前の打者が四球。制球に苦しんでいたので、ストレートが来ると、絞っていた」。読み通りのインコースを振り抜くと、打球は91メートルの左翼フェンスを越えた。

 1点差に追い上げる2ランに、ベンチは一気に沸いた。「練習試合でも本塁打は打っていないんです」という高校初アーチ。「インコースは得意で、体が反応しました。でも、本塁打になるとは」と自身もビックリの1発だった。15日の初戦(対瀬谷)も先制のスクイズを決めており、ラッキーボーイ襲名の気配はあった。大谷も「流れがこっちに来たと思ったのですが。つながらなかったです」と言って、うなだれた。

 昨秋は右肩を痛めながらも代走要員でベンチ入り。今春はイップス気味でベンチから外れた。「そこから頑張って(背番号)4を取りました」と、最後の夏にレギュラーをつかみ取った。ただ、晴れ舞台は2試合で終わった。念願の背番号をまとい、もっとグラウンドに立っていたかった。「ホームランも打てて、精いっぱいやったと思いますが。負けたのが悔しい」と、高校野球を振り返った。