日本文理(新潟)が序盤の集中打で主導権を握り、鳴門渦潮(徳島)を振り切った。県勢、同校にとって3年ぶりの初戦突破を果たした。

 鮮やかな先制攻撃だった。1回表、1死一塁から3番川村啓真右翼手(3年)が左中間に先制2ラン。2回も6番笠原遥也主将(3年)の右中間への2ランなど5安打で5点。1、2回だけで9安打を集めて7得点を挙げた。

 川村は「初回に絶対に得点したかった」。日本文理は新潟大会6試合すべてで初回に得点してきた。その流れを甲子園でも途切れさせないことが、チームのテーマだった。

 大井道夫監督(75)は「練習してきた通りに打てた」と打線を評価した。対戦相手が決定してから、打撃練習は鳴門渦潮の左腕河野成季投手(3年)の対策に集中した。左投手を打撃投手にし、マシンも左の設定。その成果が出ての大量得点だ。

 今大会で勇退する指揮官は「子どもたちと、まだ一緒に野球ができる。感謝しています」と笑顔を見せた。