全国高校野球選手権で2回戦進出を果たした日本文理は、1回戦の鳴門渦潮(徳島)戦から一夜明けた13日、休養日に充てた。遊撃手の笠原遥也主将(3年)は、9-5で制した一戦を振り返ると同時に、仙台育英(宮城)との2回戦(16日)に気持ちを向けた。

 完全オフのこの日、日本文理ナインは宿舎で自由に過ごした。その中で笠原主将は午後からマッサージを受けて体をほぐした。「下半身が筋肉痛で」と苦笑い。甲子園の初戦、4万6000人の大観衆の中でのプレーは、思った以上に体に負担がかかっていた。

 自らは2回に公式戦初本塁打を放つなど、4打数2安打2打点。ただ「本塁打は押せ押せムードの結果。それよりも三振2個の方が悔しい」。チームに関しても「追加点が取れない回が続きすぎた」と、3回から7回まで無得点だったことを反省した。

 「『勝ったぞ!』という実感はない。むしろ、もっとこうしなければ、という試合だった」と言う。3年ぶりの初戦突破の喜びもそこそこに、主将としてチームメートに引き締めを促した。浮かれているわけにはいかない。「目標は全国制覇」(笠原主将)。反省が先に出るのは本気で目指している証しだ。

 2回戦の相手は強豪仙台育英。左腕の本格派・長谷川拓帆(3年)が待ち受ける。「1回戦も左投手だった。同じように、打撃練習から全員で対策に集中する」。勝利の余韻はもうない。第2関門突破の準備を始めている。【斎藤慎一郎】