19年前の京都成章の全国準V世代がアルプススタンドで声をからした。当時の主将を務めた沢井芳信さん(36)は「甲子園で成章のユニホームを見ることができてうれしい。悔いのないようにやって欲しい」とエールを送った。

 98年夏の決勝では、怪物松坂大輔(現ソフトバンク)擁する横浜にノーヒットノーランで敗れた。1番遊撃で先発した沢井さんは、初回の第1打席で松坂の球を完全にとらえて三塁を強襲。惜しくも間一髪でアウトになり、その後は松坂から1本もヒットが打てなかった。「スライダーがすごかった。今でも思い出す。当時の(内外野の)動きは今でもほとんど覚えている」と懐かしそうに語った。

 京都成章を卒業後は同大を経て、千葉県の社会人野球チームでプレーした。現在は、自身で立ち上げた株式会社スポーツバックスの社長を務め、アスリートのマネジメントを行っている。担当する米大リーグのカブス上原浩治投手からは「甲子園出場おめでとう」と言われたという。今でも野球に関する仕事を続けられており「甲子園は自分の人生を変えてくれた場所」と聖地に感謝した。