「昂星(こうせい)」の名に込めた両親の思いを甲子園で体現した。東海大菅生の4番片山が、先制打を含む4安打2打点の大活躍。4回には浜風を切り裂いて、右中間席への高校通算21本目のソロ本塁打を放った。「昂」は「のぼる」の意味を持ち、「星」とかけて、「スターになる」。お立ち台に上がった片山は「気持ち良かった」とはにかんだ。

 右投げ左打ちのパワフルな打撃は、3歳から始めたテニスから作り上げた。小学2年時にショートテニスで全国3位。テニスは右打ちで、小学1年時から始めた野球では「しっくりきたんです」と、テニスのバックハンドをヒントに左打ちを選んだ。「野球の方が楽しかった」と中学からは野球に専念したが、豪快なスイングの原点だった。

 また1人「ミレニアム世代」に新星が誕生した。中学時代は全国大会での実績はなかったが、この冬にウエートトレでパワーアップ。ベンチプレスは80キロから95キロに進化し、今年だけで20本塁打と量産態勢に入った。早実との西東京大会の決勝でも先制打を含む3安打と活躍。大舞台での強さはスターには不可欠で、準々決勝の三本松戦でも大暴れする。【久保賢吾】

 ◆片山昂星(かたやま・こうせい) 2000年(平12)4月11日生まれ、神奈川県横浜市出身。小1から岸谷ニューフレンズで野球を始め、遊撃手で4番。小6年時にはDeNAで12球団ジュニアトーナメントに出場。中学では横浜緑シニアに所属し、中3時にはシニア全日本の米国遠征で優勝。3歳から小6まではテニスもプレーした。178センチ、80キロ。右投げ左打ち。家族は両親。