99回目の夏は、花咲徳栄(埼玉)が埼玉県勢初の日本一に輝いた。プロ注目の3番西川愛也外野手(3年)が先制打を含む3安打4打点と活躍するなど、全試合2桁安打となる16安打の猛攻で、14-4で広陵(広島)を破った。

 西川は走った。広陵最後の打者が右飛に倒れるのを確認するとマウンドの仲間のもとへ突っ走った。歓喜の輪に加わると人さし指を甲子園の空に突き上げた。

 西川 最高です。優勝の瞬間は鳥肌が立ちました。最後の試合で納得のいく打撃ができました。

 プロ注目の天才打者が自分のバットでチームを日本一に導いた。1回無死二、三塁で詰まりながらも打球を二塁後方に落とす先制の2点適時打。5回には無死一、三塁から右中間を破る2点三塁打を放つなど3安打4打点。「ホームランを打ってサイクルを狙った」という残り2打席は凡退も決勝の舞台で持ち味を十分に発揮した。