「カナノウ旋風」に続け! 第71回秋季全道高校野球の十勝、名寄地区予選の組み合わせが29日、決まった。北海道の農業高校で唯一甲子園出場経験のある十勝地区の帯広農は2回戦で音更と対戦する。2年連続の地区突破へ、青山哉太主将(2年)は「1つずつ勝って全道を目指したい」と目標を掲げる。

今夏の甲子園で公立の農業高校、金足農(秋田)が準優勝。青山主将は「同じ農業高校で甲子園であそこまでできる。すごい頑張ったら自分らも高いレベルのところにいける」と刺激を受けた。バントなど小技を駆使した粘り強い野球をテレビ観戦した前田康晴監督(42)は「伝統的にうちは粘り強さが持ち味。守りでリズムを作って相手より1点でも多く取るスタンスは通じる部分がある」。82年夏以来の甲子園へ、練習に熱が入る。

選手33人は全5学科で学び、農業科学科と酪農科学科の1年時は全員寮暮らし。朝5時起床で畑作や家畜の世話を行う。放課後講習などで全体練習参加が遅れることもある。農業科学科の左腕エース日光辰仁(2年)は「集中力とか忍耐は農業で鍛えられる部分もある」と前向きに捉える。

校内でとれたニンジンやジャガイモを使った補食のカレーライスを食べ、バットより重い農作業用の熊手、レーキで素振りし、体を鍛えた。エゾリスをいじめたら停学とうわさされる約110ヘクタール、札幌ドーム20個分の広大な敷地に2階建ての室内練習場がある。青山主将は「部訓の『全力疾走、大声野球、全員野球』を徹底したい」と話す。1926年創部の伝統校が「オビノウ旋風」を巻き起こす。【浅水友輝】