仙台育英が3ー2で仙台工に9回サヨナラ勝ちし、5年ぶり17度目の優勝を決めた。20日開幕の東北大会(青森・はるか夢球場)に出場する。

4月に就任した角張将真監督(22)に才能を見込まれ、内野手から転向したエース右腕・菅家功汰(2年)が9回5安打4奪三振2失点の粘投。試合途中から唯一の変化球でもあるスライダーの握りを少しずつ変えて目先を変える器用さで頂点を導いた。

9回裏には先頭打者で左前安打を放って出塁すると、1死満塁から相手投手の三塁けん制悪送球で決勝のホームも踏んだ。「延長もあるかと思っていたのでラッキーでした。投球では終盤に変化球の曲がりが甘くなっていたが、後半は修正できて良かった」と笑顔を見せた。

2点を先行されたが、走塁で相手にプレッシャーをかけた。6回裏1死二塁では相手投手のけん制悪送球で、二塁走者の高野優大内野手(1年)が一気に本塁へ生還して1点差。7回裏には小野寺瑞樹外野手(2年)が二塁盗塁を決めると、佐藤謙成内野手(1年)が右前適時打で同点とした。サヨナラ時には打席に立っていた佐藤は「タイムリーは感無量すぎて喜びを表現できない。最後も自分で決めたい思いもあったけれど、勝利への譲れない思いもあった。相手がミスするのも自分たちの粘った結果」と興奮した。

主将を務める小野寺瑞は「東北大会は普段できないチームから、学べるもの、盗めるものを、自分たちのものにできるようにしたい」。東北の強豪との対戦を、来年へのさらなる成長につなげるつもりだ。