最速163キロ右腕・大船渡の佐々木朗希投手(3年)が、春季岩手県大会に向け順調な仕上がりを見せた。

11日、岩手県内で行われた紫波総合との練習試合に先発。今季最長となる7回95球を投げ2安打無失点。21個のアウトのうち、実に16個を三振で奪った。

初回、先頭打者をカーブで三振に仕留めると、奪三振ショーのスタートだ! 1回と6回にヒットを打たれるも、5者連続三振を含む7回まで毎回の16奪三振。時には山なりの緩い球で相手バッターを翻弄(ほんろう)しながら、真っすぐで奪った三振は5個、変化球で11個。3日、今季公式戦初登板となった住田戦と同じように力を抜き、コントロールとキレで勝負した。相手打者が「スライダーが見えないです。すごい球でした!」とベンチに戻って興奮気味で話すほど。脱力投球でも十分に勝負できる成長を見せつけた。

5回以降は時折力を入れる投球も見せた。県大会本番での完投を想定し、力の入れどころを確認しながら試合を作る投球を心がけた。紫波総合の小野寺健太監督(25)は「彼がマウンドにいるだけで守っている選手が安心する。醸し出すオーラがすごい」と話した。試合は10-0で大船渡が勝利。夢の実現へ、佐々木はその階段を着実に上っている。【保坂淑子】