田園風景が広がる香川県さぬき市にプロ9球団が視察した好素材がいる。179センチの長身と長い手足が特徴的。パキスタン人の父を持つ津田のサンドゥ・シャーンタヒルはエース兼外野手で、50メートル6秒1の俊足を生かした守備範囲の広さが武器。「本来は中軸を打てる。打順を回すために打順は1番。いなくてはならない存在」と中塚智也監督は信頼を寄せる。2年夏から背番号1。角度ある球を投げこむ。

長打力も兼ねる。ロングティーでは、グラウンド後方の校舎を越える推定120メートル弾を頻繁に飛ばし、屋上を越えて別棟の窓ガラスを割ったこともある。

マリナーズ・イチローに憧れ、小学2年で野球を始めた。父タヒルハミードさんはボクシングとサッカー経験者だが、自身は野球一筋。俊足でグラウンドを駆けるプレースタイルは、イチローと重なる。スカウト陣は走攻守そろった野手として評価。本人も「いけるならいきたい」とプロを志望している。【望月千草】