磐田南が清水桜が丘に9-6で逆転勝ち。昨秋県準優勝で東海大会に出場した強豪を退けた。太田修登捕手(3年)が、攻守にわたる活躍を見せた。

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磐田南が捕手2人体制で、今春センバツ出場にあと1歩と迫った強豪を圧倒した。最大5点差を逆転する金星だ。6-6に追い付き、なおも5回裏2死一、二塁。太田が高めの直球を詰まりながらも中前へ運び、決勝打を放った。「(投球が)高めに浮いていたので狙っていた。ポテンヒットは自分らしい打球ですね」と、笑顔で振り返った。

正捕手の太田は先発を外れ、3回からマスクを被った。だが、調子を落としていたわけではない。先発した上村聡大捕手(2年)は、相手の狙い球をさぐるリードがうまい。序盤に太田は、ベンチで相手打線を観察。途中出場で配球をガラリと変える、捕手2人体制が確立している。「いつも途中から入るので、準備はできていた。序盤にリードされても、焦りはありませんでした」と振り返った。

太田は相手打線の直球狙いを察知すると、変化球主体の投球に切り替えた。「真っすぐを見せ球にして、変化球でカウントをとった。緩急を生かし、相手のタイミングを外せました」。戸塚雄介監督(38)は「上村が、よく情報を引き出してくれた。野沢(康生投手=3年)は、捕手を代えると切り替わることが多いので」と、起用法を説明。完投したエース野沢は3回以降2失点と立ち直り、狙いが的中した。

2回戦は15日、春県大会4位の浜松工と対する。太田は「野沢をテンポよく投げさせて、相手に考える間を与えないようにしたいです」。強豪を倒した勢いそのままに、シード校撃破を狙う。【古地真隆】